2024/10/10修正して更新
現代社会は「キレイすぎる環境」「キレイ過ぎる食材」を求めすぎ、私達に色々な弊害を及ぼしています。
弊害の一つがアレルギー性疾患の多発です。
アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、花粉症などの、いわゆるアレルギー性疾患が飛躍的に伸びているのです。
小・中学校の生徒のアトピー性皮膚炎、気管支ぜんそくは、20年前と比べると2倍になり、花粉症に至っては、日本人の5人に一人以上が罹患しています。
いまやアレルギー性疾患は、日本人の国民病といわれる、ゆえんです。
調べてみますと、このアレルギー性疾患は、私が生まれた頃の日本では、ほとんどありませんでした。
また、いろいろな本を読んだり、いろいろな人と話をするうちに、別な原因もある事に気づきました。
それは、私達の「子供の頃、体の中にいた寄生虫」です。
「キレイな社会」を形成してきた現代日本は、カイチュウなどの寄生虫を追い出し、私達を守ってくれる常在菌も追い出してしまい、アレルギー性疾患を増やしているという結論に達しました。
私が小さい頃は、学校にプールがないため、近くの川や池で泳いだりしていました。
現代のプールと違い、汚いです。
家畜の糞尿や人糞などの混ざっている状態のところもあったと思います。(但し、農薬は普及していなかったので、農薬の混入はなかったと思います)
そして、その頃の子供達は「カイチュウなどの寄生虫」に感染していました。
調べてみると1950年までの日本人はカイチュウ感染率が50%を超えていました。
つまり、日本人は「カイチュウと共生」していたのです。
第二次大戦後、日本は国を挙げてカイチュウ撲滅運動を起こしました。
その結果1950年代に62%だったカイチュウ感染率は、60年には20%を切り、65年には5%以下となっています。
そして、この65年を境にアトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、花粉症などの、いわゆるアレルギー性疾患を発症するようになったのです。
きれいな肌は、皮膚表面の常在菌のおかげです。
この常在菌は、皮膚の脂肪をエサにして、脂肪酸という「酸性の膜」を作って皮膚を守っています。
この膜が、外からアレルゲンや悪い菌を皮膚の中に入るのを防いでいます。
そして、皮膚内部の水分が蒸発しないようにしているので「しっとりとした肌」が保たれるのです。
例えば「キレイになる」と思って体を洗いすぎる人は、皮膚の表面にいる常在菌を洗い流してしまいます。
すると、皮膚の角質膜がバラバラになり、アレルゲンが侵入し「アトピー性皮膚炎」になりやすくなるのです。
皮膚の中の水分が蒸発し「乾燥肌」にもなりやすくなるというわけです。
アレルギー反応を抑えていたのは寄生虫だけではありません。
細菌やウィルスなどの微生物も人間に感染するとアレルギー反応を抑えることが、わかってきています。
今、日本は抗菌社会です。
テレビを見てると「抗菌」「除菌」「消臭」のCMが一杯流れています。
皮膚には、10種以上の菌がいて、私達の皮膚を守ってくれています。
女性の膣には、デートライン乳酸菌という細菌がいて、雑菌の繁殖を抑えてくれてます。
腸内でもたくさんの細菌類がビタミンを合成したり、免疫力をつけたりしてくれているのです。
それなのに、私達は過度のキレイ社会を大事にし、この有益な菌達を「バッチイ」ものとして排除しています。
あなたのまわりで、きれい好きな人がアレルギーで苦しんでいるのを見かけませんか?
また、近年の医学論文では、「過度に清潔な環境が子どもの白血病のほとんど(99%)を作り出している」と示されています。
鳥インフルエンザウィルスは人類がヒトになる前からカモの中に棲んでいて、カモの中で子供を産み、子孫を残してきたのです。
そのため、鳥インフルエンザウィルスはカモにとっては無害です。
同じ水鳥のアヒルに感染しますが、アヒルの場合は、感染したアヒルの15%しか発症しません。
ところが、ニワトリに感染すると、ニワトリを全滅させるほどのウィルスとなるのです。
そして、それがヒトに感受性のあるウィルスに変ると、ヒトにも壊滅的なダメージを与えるウィルスになるのです。
私達に共生している微生物は私達を守っているのです。
しかし、外来の微生物は私達を攻撃するのです。
日本人は昔からカイチュウと共生していました。
また、私達の体を守ってくれている常在菌や腸内細菌も、綺麗すぎない昔の生活スタイルの中で無意識の内に守っていました。
これらの微生物との共生を絶った人は「アレルギー疾患」に苦しむ事になるという理論にたどりつきます。