2024/10/10修正して更新
この記事は、画像以外医学博士 池谷 敏郎の著書から一部抜粋・再構成しています。
朝食をとらない分、お腹がすくので昼食の量が増えて血糖値が上がりやすいということもありますが、それだけではありません。
食べる量が同じでも、朝食を抜くと血糖値は上がりやすいのです。
寝ている間、血糖値は下がっていますが、活動のためにはある程度、血糖値を上げなければいけません。
朝食をとらないと低血糖状態が長く続くので、「インスリン拮抗ホルモン」という血糖値を上げるホルモンがたくさん分泌されて、血糖値を下げないようにしています。
その状態で食事をすると、いつもと同じ食事内容だったとしても、いつも以上に血糖値が上がりやすいのです。
また、低血糖状態が続くと交感神経が緊張するので、イライラして甘いものを食べたくなってしまいます。
血糖値を上げるホルモンがたくさん出て、血糖値が上がりやすくなっているときに甘いものを食べたらどうなるか。言うまでもありませんね。
「朝食を抜くと脳出血が増える」という研究結果も出ています。
国内で行われた研究で、45〜74歳の男女8万人以上を対象に、約13年間追跡調査を行ったところ、「朝食を毎日とっている」と答えた人に比べて、「週5〜6日」の人は1.1倍、「週3〜4日」の人は1.22倍、「週0〜2日」の人は1.36倍、脳卒中のリスクが高くなっていました。
朝食をとったほうが血管にいいとはいえ、糖質や脂肪のとりすぎは避けたいところ。
とくに私は、仕事(外来診療)中は座っている時間が大半なので、朝食は「無糖コーヒーと手作りの野菜ジュース」が基本です。
なおかつ、キッチンで野菜ジュースをつくって、そのままキッチンカウンターで立って飲んでいます。
単純に朝の時間短縮のためにはじめた習慣ですが、慌ただしい朝は食後に歩いたり、体操をしたりする時間を確保しにくいので、食後高血糖対策にはおすすめです。
「行儀が悪い」と思われるかもしれませんが、血管にはやさしいスタイルです。
それに、いつもと違う食べ方のせいか、よりおいしく感じることも。
池谷式立食、ぜひ試してみてください。
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