2024/10/10修正して更新
食物繊維が、生活習慣病予防〜便秘解消までと健康を維持するには、欠かせない成分であることは知られてますが、現代の日本人の食生活は食物繊維が大きく不足している実態があります。
男性(18〜69歳)⇒1日20g以上
女性(18〜69歳)⇒1日18g以上
厚生労働省の2014年国民健康・栄養調査結果では、成人男女の年代平均摂取量は12.8〜16.4gとなっており、大きく減少していることが分ると思います。
近年、低炭水化物ダイエットが流行し、上記の数値は更に低下していると考えられます。
食物繊維不足は便秘誘発だけでなく、腸内環境が悪化し悪玉菌を増加させ、肥満・脂肪肝・糖尿病・高血圧などの生活習慣病、がん・免疫機能低下・精神疾患の原因になることが科学的に証明されています。
「レジスタントスターチ=難消化性でんぷん」と呼ばれ良質炭水化物で、腸内細菌のエサとなり食物繊維と同じように腸内で善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果が認められてきました。
また、レジスタントスターチが多い食品をハイレジ食品と呼んでいます。
食物繊維と同じ働きがあり腸内環境(善玉菌が多い状態に保つこと)を良好にするため、便秘解消・血糖値上昇抑制・美肌・ダイエット(脂肪減少)が期待できます。
レジスタントスターチは、他のでんぷんと比較すると消化吸収がされにくいため、食後血糖値上昇を示すGI値が低いという特徴を持っています。
高GI値食品は食後血糖値が急上昇し、低GI値食品は血糖値上昇は緩やかになります。
血糖値上昇が緩やかであれば、脂肪合成促進物質インシュリンの分泌も緩やかになります。
白米と玄米を比べると白米のほうがGI値が高く、玄米と比較すると血糖値を上昇させ太りやすい食材ということになるのです。
しかし、この白米を6度以下で冷やすと温かい白米よりGI値を下げることが可能となります。
この原理を利用したのが「冷やごはんダイエット」です。
ちなみに、普通の炭水化物は1gあたり4kcal、レジスタントスターチは1gあたり2kcalと半分になります。
レジスタントスターチは、加熱すると大きく減少し冷めると再び増加しますが、未加熱食材はでんぷん分子が消化されにくい状態にあるため、冷めたご飯のように一度加熱され糊化したでんぷんが冷めると再結晶し消化されにくくなったりする理由からです。
@穀物・ナッツ類・豆類に含有するレジスタントスターチ
A生のでんぷん質に含有するレジスタントスターチ(生ジャガイモ・未完熟バナナなど)
B一度料理されたでんぷん質食材を6℃以下で冷やして(糊化して)できたレジスタントスターチ
C食品表示では「加工でん粉」と記載され、塩化リン・トリメタリン塩酸などの化学薬を使って作られているレジスタントスターチ
オーガニック生産者の一言アドバイス
レジスタントスターチが少ない小麦粉はパスタに加工、白米の場合は炊いた後に一度冷凍する(おにぎりの前日の作り置きがベター)とレジスタントスターチの含有量を増やすことが出来ます。
レジスタントスターチが多い(ハイレジ食品)は、生食が多いため、調理法によってはレジスタントスターチ含有量が半分に減少する場合があり注意が必要です。
とうもろこし・じゃがいもは蒸し料理で食べると美味しいので試しやすいです。
パスタ・大麦の調理に最適です。
下表は、100g当りのレジスタントスターチ含有量一覧です。
食材名 | レジスタントスターチ含有量 |
---|---|
ライ麦パン |
3.2g |
とうもろこし |
3g |
コーンフレーク |
3.2g |
生バナナ |
4g |
パスタ(調理済み小麦) |
1.1g |
グラノーラ |
0.1g |
ポテトチップス |
3.5g |
いんげん豆(調理済み) |
2g |
白米 |
1.2g |
ポテトサラダ |
1.0g |
ジャガイモ |
0.6g |
レジスタントスターチ(ハイレジ食品)は、研究段階でもあり発展途上の成分。
試してみたい方は、お昼のお弁当を「おにぎりを前日に作り置きして」便秘解消・ダイエット・血糖値低下効果があるかないか実践してみると良いかもしれません。